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THE NEW FRAGRANCE DEBUT LEATHER OUD Exhibition Dr. パオロ・ヴラニエス トークショー

 

中東とトスカーナのイメージを砂漠と丘陵の曲線に重ねて生まれた新たなフレグランスです。
こうして直接皆様にお会いしてご紹介できることは、私にとって大きな喜びです。


THE NEW FRAGRANCE DEBUT

LEATHER OUD Exhibition

Dr. パオロ・ヴラニエス トークショー

日時 2023 年 11 月 24 日(金)
場所 Dr. Vranjes Tokyo〈代官山直営店〉

ブランドが誕生して 40 周年となる記念すべき年に誕生したディフューザーの新たな香り、LEATHER OUD〈レザー・ウード〉について、また創作への思いなどを、コロナ禍を経て 6 年ぶりに来日したブランド唯一の調香師であり創業者である Dr. パオロ・ヴラニエスに語ってもらった。

 


Q1:この記念すべきブランド誕生 40 周年という年に誕生した新しい香り LEATHER OUD について早速お伺いしたいと思います。これまでのあなたは作品も人生の中出会いや記憶を嗅覚の記憶としてとどめ、それを様々なエッセンスを用いて香りに表現されていますが、どんな瞬間にこの香りのインスピレーションが閃いたのでしょうか。また、どんな思いでこの香りを創作されたのでしょうか。

 

パオロ・ヴラニエス:
もう 40 年も経ってしまったのですね。40 年も経ったので私の髪も白くなってしまいましたね。 調香という仕事を始めたのはもっと前なのですが、ブランドとしては 40 年ですね。調香という仕事は、40 年 以上たった今でも私に強いパッションを与え続けてくれる仕事です。この仕事を 40 年も続けてこられるとい うことがどれほど幸運なことか、毎日その幸せを噛みしめています。この新作 LEATHER OUD という香りは、まさに 40 年間の私の集大成といえる香りです。40 周年を記念して、一層プレシャスでオリジナリティーあふれる非常に特別なものを作りたいと思いました。 私はこれまで世界中を旅しながら香りと出会う旅を続けてきました。その出会いの中でも特に貴重で特徴的な エッセンスを集めて一つにしたいと思ったのです。その思いの集大成がこの香りといえるでしょうか。

これまで世界中を旅しながら出会った香りで、旅をするように様々なエッセンスを組み合わせ調香しながら完成形を求めていく中で、作品はどんどん形を変えてくのですが、 変えていくごとに私はその香りに魅了され、恋をするかのように没頭しました。 エレガントでエクスクルーシヴな魅力を持った素晴らしい香りが生まれたと思っています。 この香りの特徴として、その香りの中にきっと貴重なエッセンスを感じていただけると思います。 例えばインドネシア、インド、タヒチ、マダガスカル、イタリア、トルコなど世界中の様々な地域からのエッ センスです。それぞれの国からインスピレーションを受け、発見し、ひらめき、そして驚きとともに私の記憶に残ったものを調香しました。 そのなかにウードがあり、この稀少なエッセンスがこの新作の香りのパレットを完成させています。

 


Q2:ブランド 30 周年のアニバーサリーフレグランス OUD NOBILE〈ウード ノービレ〉にもこの「ウード」 が使われていますね。ウードはあなたにとって特別なエッセンスなのでしょうか。

 

パオロ・ヴラニエス:
私には 10 年ごとにウードを使いたい衝動が湧いてくるのでしょうか(笑)。
ウードはまさに私とっては特別であり、非常に重要なエッセンスです。
出会いは 20 年ほど前だったでしょうか。エミレーツの要人がドットール・ヴラニエスのファンになってくだ さって、その方のアラブにある邸宅に招かれたときでした。 中東では、特別な客人をもてなし歓迎の意をしめす儀式として、ウードの木片を焚き、その薫香を男性は衣服に、女性は⾧い美しい髪を解いて、その髪に香りをまとうのです。 なんともエレガントなリチュアルです。異国の文化に触れるすばらしい体験でした。私はこのもてなしの儀式、リチュアルに深く感動しました。そしてその体験とともに、そこに香っていたウードのアロマティックでエレガントなウッディノートに非常に魅了されたのです。
記念すべきフレグランスには、この特別なウードを主役に したいと思いました。
ウードはとても美しいそして強く印象深い香りです。このエッセンスを主役にするにはどんな香りとコンビネーションすると際立つのか、主役が煌めくのか、とても私を悩ませました。
調香にはこれまで私が心を動かされたエッセンスの数々を使いました。例えばこれまでの世界中への旅で出会ったエッセンスのひとつ、インドネシアで出会った「エレミ」です。エレミはお香のような香りにスパイシーさが加わった特別な香りです。そのほかマダガスカルのバニラ、タヒチからはパチュリ、そして私の祖国イタリアの私のホームタウンであるトスカーナ、フィレンツェは古くから革製品、革をなめす技術で世界最高峰として知られています。この革の芸術を、この新作の香りの旅の仲間に入れたいと思いました。ですがご存知の通りレザーは動物由来です。私は動物愛護の観点、そして動物へのリスペクトの意味からも動物由来のものは製品に一切使用しません。ですのでレザーの香りはなにで表現するか…香りの旅の中で発見したエッセンス、 インドの「ナガルモタ」で表現しました。
ナガルモタはカヤツリグサの一種で、インドのある地方で栽培されている植物です。その根から抽出されるエッセンスは植物でありながら、明確にレザーの香りを表現してくれるのです。今回初めてレザーを表現するのにこのエッセンスを用いました。 ナガルモタにもウードと同じようにリチュアルがあるのですよ。インドでは若い女性が額にこの香りを垂らすと、「私は初めて恋をしました。今私は恋をしていて幸せです。」という合図になるのだそうです。その話を聞いて私は感銘を受けました。

 


Q3:あなたにとって特別なウードや、レザーなど希少なエッセンスからうまれたこの香りをどんな方へオススメしたいと思っていますか?

 

パオロ・ヴラニエス:
どなたにオススメしたいかというのは難しいのですが、香り選びで私がお伝えしたいことは、皆様のエモーショナルな部分、心の部分に目を向けてほしいということをいつも思っています。 香りを嗅いだ時に動く情動大切にして、心が動く香りを選んでいただきたいと思っているのです。これまでこの新作 LEATHER OUD に使用したエッセンスについてお話してきましたが、今回用いたエッセン スはどれも、私が心を深く動かされたエッセンスです。ユニークで稀少性が高く、高価で他にはない特別なエッセンスをセレクトして誕生したのがこの新作です。調和、エレガンス、そしてエクスクルーシブなこの香りに魅了され、調香を進めるごとにこの新作が好きになっていきました。
ですので、当たり前ではないもの、他とは違うもの、唯 一無二であるもの、洗練やエレガンス、そして調和を求める方にぴったりではないでしょうか。 特別なものを手に入れる、特別な香りを手に入れるといった感覚を楽しんでいただきたいです。

 


Q4:実際にこのフレグランスを使う方にぜひアドバイスをお願いしたいのですが、どんなシーンで、またはどん なお部屋で使うのがオススメでしょうか。

 

パオロ・ヴラニエス:
オススメを語る前にもう少しエッセンスについてお話させてください。ウードについては先ほどお話しましたが、この新作にはウードのほかにいくつも稀少なエッセンスを用いていますが、例えばローズです。トルコの標高 1000mのある地域にしか生息しないターキッシュローズのエッセンス。そして先ほどもお話したインドネシアを旅する中で出会ったエレミ。バルサミックでス パイシーな香りです。そして一番難しかったレザー。ナガルモタを用いました。そんな稀少なエッセンスから 生まれた香りなので、あなたの大切な空間で、大切に使っていただきたいと思っています。包み込まれるような香りなので、リビング、書斎がいいのではないでしょうか。寝室もいいですね。私は書斎に置いています。なぜなら書斎が一番⾧く過ごす場所だからです。木製のものと相性がいいので木製の家具の多い空間もオススメですよ。

 


Q5:この香りに限らず、香りの楽しみ方のコツがあったら教えてください。

 

パオロ・ヴラニエス:
まずは香りをどのように選ぶか、そこからお伝えしますね。先ほどもお話した通り、香りを嗅いだ時の情動を大切に、心が動く香りを選ぶことが一番大切です。 その時のあなたの体と心の状態によって選ぶ香りが変わ ってきます。心の声を聴いて、エモーショナルな部分が揺り動かされる香りを選んでください。それがその時、あなたに合った香りなのです。テクニック的な部分としては、1250ml サイズ以上のビッグサイズのデイフューザーを使うときには、お部屋の中心 からしだいにお部屋全体へと香りを広げていくような使い方をしてください。
250ml、500mlサイズをお使いの時には、お部屋の対角線上に複数個お使いいただいてもいいです。それぞれのお部屋に異なる香りを置いていただき、それぞれのお部屋であなたが香りを身にまとい、また別のお部屋に移動してまた違った香りを身にまとう…そのようにして人がお部屋を行き来するたび、移動するたびに、まとった香りを別のお部屋に持ち込んで、香りがMIX していく。 移動するたびに新しい香りが生まれていく、そんな楽しみ方も素敵ではないかと思っています。

 


Q6:ブランド誕生から 40 年。どんな年月でしたでしょうか。また何を大切にして作品を創ってきたのかを教えてください。

 

パオロ・ヴラニエス:
ブランドとしては 40 周年ですが、創作活動としてはもっと⾧い年月を過ごしてきました。40 年も経ってしまいましたが、初めて調香した日からより一層パッションは高まり、日々感動しています。40 年も経ったとは思えないほど早かった。40 年も経つと、普通の方は年金生活に入る方もいらっしゃるような年齢ですが、40年経ったいまでも、私にはますます進みたい道、行きたい道が数多くたくさんあるのです。これからもますます精力的に活動していきたいと思っています。

 


 

Q7:すばり、あなたにとって「香り」とはなにかをおしえていただけますか?

 

パオロ・ヴラニエス:
香りというのは、いつも私の周りにあって包み込んでくれるものです。皆さんにとってもそうではないでしょうか。目覚めたときから様々な香りに包まれていますよね。人生の中でもそうです。例えば生まれたときにはお母さんの香りに包まれています。様々な香りが日々私たちをとりまいています。ですので、香りはいつも私の身近に一緒にあるもの。
幼い頃に出会った私の祖父の香水のコレクションが、私が香りの世界へと誘われるきかっけとなりました。あの頃から今まで香りは私の人生そのもの。人生の源でした。これが私にとっての「香り」です。

 


 

Q8:これからのドットール・ヴラニエスの展望や取り組みを教えてください。

 

パオロ・ヴラニエス:
いろんなプロジェクトがあるんですよ。
私の頭の引出しの中にはたくさんのアイデアがあって、それをひとつひとつ開けて新しいプロジェクトとつなげていくのですが、新作については納得して世に出せるまで、いいよ出ておいで!というときまで世には発表しないということにしているのです。ですのでまだ内緒ですが、これからたくさんプロジェクトがあるので楽しみにしていてください。

 


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